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ひきこもり連載(10)ネット依存

2021年03月01日

  公明新聞>

ネット依存
冷静に話し合い、ルールを作る

 ひきこもりとネット依存は卵と鶏の関係に似ています。ネットに長時間はまる結果、朝、起きられず学校や仕事に行けなくなると考えがちです。しかし、スマホやゲームを取り上げても良い結果は得られません。

 ネット以外にもお酒、薬物、ギャンブル、買い物、恋愛などさまざまな依存症があります。どれも節度を守って楽しむ分には問題ないのですが、費やす量が増え、自分でコントロールが効かなくなり、勉学や仕事などの日常生活に支障が出るのが依存症です。そこまでいくとやめようとしても自力では無理で、周囲からの支援が必要です。

 学校、職場、地域や家族など本人にとっての居場所が楽しく充実していれば、ネットにはまっても必ずそこに戻って来られます。そこがストレスに満ち、居心地が悪ければ依存の世界へ逃避し、現実世界に戻れなくなります。それがひきこもりの実態です。

ネット依存とひきこもりの解決のカギは、自分の存在が認められているという豊かな現実の回復です。家族が協力して問題を解決しようとする試みは、豊かな家族を回復する良い契機です。ゲームやネットの使用について、本人と家族がよく話し合ってみましょう。家族おのおのがどのように問題を感じているかを伝え合います。一方的に親の主張を押し付けるのではなく、本人の気持ちも理解します。なぜ長い時間ゲームにはまってしまうのか。なぜ朝、起きられず学校に行けなくなってしまうのか。本人もそのことはよく分からず答えられないかもしれませんが、それで構いません。

意見が対立しても叱ったり糾弾したりせず、お互いを理解して解決策を見いだそうとする姿勢が大切です。親子が納得できるまで時間をかけて冷静に話し合い、家族のルールを作ります。ネットに興味を持ち始める小学生など、年齢が早いほど効果的です。家族から見守られているという安心感が、ひきこもりやネット依存から決別する勇気を生みます。