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ひきこもり連載(7)学校との関わり

2021年02月07日

 公明新聞 2021.2.4.

学校との関わり
教師と保護者の信頼関係が大切

ひきこもり支援に、学校は大きな力を発揮します。
人は傷つき体験を乗り越える中で成長します。人生のハードルにつまずき、何度か挑戦して失敗が成功に転じる体験が自己肯定感を育みます。
ハードルの挑戦は自立心が芽生え始める思春期、女子では小学校高学年、男子では中学生くらいから始まります。保護者によって守られ、自分の思い通りになる世界から巣立ち、異質な他

者と向き合い、自分の居場所に取り込んでいきます。時には否定されたり、思いどおりにならないことに傷つき、人との関わりから撤退し、ひきこもります。十代のハードルを無難にこなした人が二十代、三十代にその時期を迎えることも稀ではありません。
傷を癒すために数週間程度ひきこもることは問題ないし、むしろ長い人生を生き抜くために必要です。しかしその期間が長びくと、撤退していることが自信喪失に繋がるので、適切な時期に復帰します。そのためには、成功するかもしれないという希望と、失敗しても見捨てられないという安心感が必要です。それを与えるのが親や教師などの信頼できる大人の存在です。本人の苦しみを理解しつつ、本人の潜在力を信じて、手を出し過ぎず、本人の努力を暖かく見守ります。
ハードルの種類を変えてみるのも良いでしょう。現在はいわゆる普通学級だけでなく、様々な選択肢が用意されています。小中学校段階では適応指導教室や特別支援学級、高校段階では、通信制、昼間の定時制、サポート校などが適応しやすく自信を獲得しやすいと言えます。
高学歴であることが幸せに結びついていた昭和の時代にはより高い偏差値の学校が好まれ、それ以外の選択は一段低いものと見られていました。多様な価値観・生き方が許容される今は、旧来の価値観にとらわれず、本人の個性に合致した居場所が人生の幸せ感に結びつきます。
学校の中に落ち着ける居場所を見つけることも重要です。多くの仲間たちがいる教室はハードルが高いので、保健室など保護的で個別の対応ができる場所を活用します。養護教諭と担任教師がよく連携し、本人のペースに合わせ段階的に復帰します。
学校と家庭の連携も重要です。得てして学校は家庭の、家庭は学校の対応が悪いと批判しがちですが、教師と保護者がじっくり話し合い、相互の信頼関係を樹立します。家族が信頼している学校であれば、本人も復帰しやすくなります。
教師が家庭を訪ね、本人と落ち着いて話し合えると学校復帰の大きな力になります。まず教師と保護者がよく話し合い、十分な了解のもとで訪問します。それが得られない状態で家庭を訪問するとトラウマの再体験になりかねません。

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講釈)私は多少長めの原稿を送って、新聞記者に編集してもらいます。上記の青文字が削除された部分です。確かに削除しても全体の意味は通るから上手な編集ですよね。
でもピンク色の部分は残して欲しかったなぁ。ちょっと話題はそれますが言いたかった部分なので。