家族はひきこもり問題を解決する大きな資源です。
本人は人と関わることに大きな不安を抱え、家族以外の人を避けています。唯一関わることができる家族が、人と関わる安心感と自信を与えます。
特に効果的なのが心理的に遠い家族との交流です。例えば母親とは近いが父親と遠い場合、父親との関係回復がひきこもり脱出の大きな鍵になります。しかし実際には容易でありません。過去の葛藤や失敗体験から、家族がどう関わるべきかを見失っているからです。
そのためにも、同じような体験を持つ親同士が交流し体験を分かち合い、自信を回復することが有効です。この20年来、ひきこもりの支援は民間からスタートしました。KHJ全国ひきこもり家族会連合会は、全国に散らばる草の根的な家族会をまとめています。
厚生労働省では、10年前からひきこもり支援事業を展開し、「ひきこもり地域支援センター」を全国に指定しています。例えば、東京都ひきこもりサポートネットでは、電話、メール、訪問で相談窓口を設け、地域若者サポートステーションや地域の支援活動を紹介しています。