Q)移住(多拠点)居住を考えたきっかけなどございますか?
1)直接のきっかけはスキーですね。
ここ5-6年、バックカントリー・スキーにハマり、ガイドさんがいる月夜野ベースによく泊まり込んでたんですよ。
仕事を終えて新幹線で上毛高原へ。駅に迎えにきてもらい、スキーの後は温泉に入り、食事をする場所や大きなスーパーもあるし。
山の中の田舎でもけっこう生活できるじゃん!と思いました。
でも、その背景には若い頃からの経験がありました。
2)田舎暮らし
25年前に草津温泉の近くに小さな中古別荘を買ったりして、田舎暮らしには若い頃から志向していたのだと思います。
高校時代は山岳部でよく山に登っていました。私は海派ではなく山派なんでしょうね。山を見たり、山に囲まれるとテンションが上がるんですよ。
3)ふるさと回帰
もっと前にさかのぼれば、子ども時代、父親の実家である四万温泉に家族とよく帰省したんですよ。
そのイメージが残っていて、親のふるさとへの回帰願望みたいなのがあったのでしょうね。
私自身は東京生まれ・東京育ちですが。
4)アウトドア派
人間、アウトドア派とインドア派に分かれるみたいですね。
私はOutdoor派。
元の妻も、今の妻もIndoor派。
子どもたちも、娘はoutdoorだけど、息子二人と今の妻の子ども二人もindoorみたいです。
Outdoor派の人にとって、外にいる方が、田舎にいる方が落ち着くみたいです。
私がなぜ田舎が好きか、山が好きかと問われても、答えようがない。幼少期の体験とも言えるだろうけど、やっぱりoutdoorってのは元からあったみたいです。
だから、改めて考えることなくても、田舎暮らしは私にとっての自然の成り行きなんでしょう、きっと。
Q)移住を決めた時、どんなところに相談しましたか?
有楽町の交通会館にあるふるさと回帰支援センターに行きました。
そこで群馬県の移住フェアみたいなのに行き、市町村の移住コーディネーターさんたちに出会いました。
前橋市、沼田市、中之条町、高山村のコーディネータさんたちが「チーム田村さん」ライン・グループを作ってくれて、あちこちの物件を紹介してくれて見て回りました。沼田市のトライアルハウスにも何度もお世話になりました。渋川市とみなかみ町も見て回りたかったのですが、コーディネータさんとは繋がりませんでした。市区町村によって温度差があるんですね。みなかみの町役場も訪ねたんですけど、物件のファイルをポンと渡されただけで、あまり相談には乗ってくれませんでした。
25年前に別荘を探していた時は、群馬ばかりでなく長野県の軽井沢や八ヶ岳山麓も見て回りました。
しかし、今回は群馬以外は考えませんでした。
やはり群馬が私の「心のふるさと」なのでしょう。
物件の数は前橋や沼田の方がたくさんありました。
でも雰囲気的にピンとくるものがなかったんでしょうね。
前橋の赤城山麓は前橋市を見下ろし、榛名山系を遠景に良い風景でした。
沼田の河岸段丘も良かったです。
でも、心には響かなかったのだと思います。
高山村は物件がほとんどありませんでした。
でも、中山盆地の雰囲気にはなぜか心が落ち着きました。盆地の集落、間近に見上げる子持山と三並山の風景にピンときました。
沼田市で古民家を見に行きました。
家主さんと折り合いがついていないし、かなり痛んでいる部分もありました。
しかし、なぜか心を惹かれ、その後、古民家をいくつか見て回りました。
でも、古民家は難しいんですよね。空家はあっても、先祖からの家ということで持ち主さんはなかなか手放さないし、不動産屋としても利幅が少ないのであまり扱っていないそうです。
そんな中で、高山村の移住コーディネーターのさきちゃんが、持ち主さんとも交渉してくれて、今の物件にやっとたどり着けました。
Q)高山村で、やってみたいことはありますか?
妻とゆっくりとした時間を過ごすこと。子どもたちは巣立ったので(若干、一人まだ残っているが)。
妻とオープンキッチンに立ち、ゆっくりとご飯を作る。
夏はオープンデッキで、冬は薪ストーブでスローフードを楽しむ。
冬はスキー三昧。
安心できる場所で、少数の人と関わり、真の意味で心の健康を取り戻す。
私が精神科医として経験してきたことの集大成でもあります。
妻)
別にないよ。のんびりしたい。
家庭菜園だな。味噌作り。
裏庭で取れた筍で、筍ご飯を食す。
Q)多拠点の移動は大変ですか?
妻)
はい、大変です。車の移動で荷物を運ぶのが。
私)
高山村:東京(大田区)間は車で移動しないです。妻はやってますが。
高山・渋川間だけ車で、渋川・東京間は電車で。急ぐ時は新幹線だけど、そうでない時は湘南新宿ラインでのんびり移動してます。
Q)楽しさなどもあれば知りたいです。
自然を身近に感じる暮らし。空気が澄み、人がそんなにいない。
今までの生活をリセットして、自分のやりたい新たな生活をイチからスタートさせること。まだ始めたばかりですから。
すごく大変ですが、やりがいはある。
(妻)
鳥の囀りと共に起きれる。起きてないけど。
景色がいい。
朝6時のチャイムはやめてほしい。(音がでかいんですよ)