2020年05月19日
2020.5.17. オンライン・グループSVのご報告
今回は9名の参加でした。
取り上げた事例は、小学生のX君。
彼に関わる3名の方々からの話題提供でした。
・特別支援のA先生
・クラス担任のB先生
・保健室のC先生
C先生が私のSVに長く参加して、A・B両先生もSVに連れて来られたので、今回はC先生にファシリテートしてもらいました。そのほうが私も楽ですから(笑)(注1)。
まず参加者からの感想です。
成長の個人差がある小学生、こんな風に見てくださる先生に囲まれていると安心だなぁと、思いました。飼育係するうちに情緒面が落ち着き、自然に向上心が膨らんでいくこともあるような気がします。安心できる居場所があるといいですね。
又、この事例が他の子どもたちに活かされると感じました。
ファシリテーターのCさん、ありがとうございました。
A先生から
・zoomでのGSVで事例提供者について
事例提供者の一人として初めて事例を提供しましたが、zoomであると話す内容が整理されていて話しやすかったと思います。誰かが話しているときに自分の考えを整理したり、新たな気付きが生まれたりして、自分が話すときにクリアな状態で話せました。ただ、そのためによりファシリテーターが重要になってくるのかなと感じました。話す人が一人に限定されるので、質問者が話すハードルが少し高いイメージをもちましたが、そこは慣れで解決していくのかなと思いました。
・今回の事例について
重要だと気付いたこととして、ライフサイクルで考えること、信頼関係を構築したうえでネットワークを作っていくこと、ネットワークのキーパーソンを決めていくことがあります。皆様の話から、環境的に恵まれていて担任の先生が非常に尽力してくださっていたことを再認識したので、より踏み込んで支援を考えそのための枠組みを作っていくことが大切だと感じました。6月から学校も再開するため、こういった話を現段階で整理できて非常に有意義でした。
C先生から
前回のグループSVから、AさんはX君のケースを出したかったそうです。
Bさんが参加してくださったので、二人でケース提供したいという気持ちがあったそうです。BさんもAさんと二人でケースを考えたい、二人でケース提供した時のGSVを体験したい、おもしろそうと話していました。
私がファシリテートをさせていただいたのですが、ケースを、Aさん中心のケースとして扱うのか、Bさん、私を含めたチームのケースとして扱うのか難しかったです。最終的には、チームとしてのケースに流れが持って行ってくれたと感じました。
オンラインだと、AさんとBさんの無言のやり取り、アイコンタクト、お互いの相互の関係の表情やリアクションが読み取れず、細かい意志の疎通を拾えなかったのですが、私自身が、日常のお二人を知っているので、ファシリテートには、それほど影響がなかったように思います。
3人で、X君について話し合い、その後、参加者の方だけで、X君について討論してもらう、リフレクション形式にしても良かったかも。。と終了後に感じました。
「X君に討論してもらう」というよりは、
「X君に関わるA・B・Cさんについて討論してもらう」という枠組みの方が、よりreflecting teamっぽくなります。
表面上は、
XくんのケースAさんからの事例提供
ということですが、彼に学校で関わっている3人のA・B・C先生がSVに参加しているわけで、すでにシステミックな視点が生まれています。ですから、単純に、
X君の見立て
というリニアな考え方よりは、
X君に対するAさん、Bさん、Cさんの関わりと、その差異
それをお互いにどう見ているか。
A・B・Cさんの連携
といった視点から話し合ったら良いと思います。
SV中に私が投げかけた質問もそのような意図がありました。
X君は学校で問題を抱えつつも、新担任のB先生といち早く信頼関係を築きました。
そこに注目して、それはB先生のどのような資質や関わり方が信頼関係を作ったのかについて、A・B・Cさんそれぞれの視点を尋ねましたね。つまり、X・B関係についてA・B・Cさん、それぞれからコメントしてもらう。つまり三者関係の質問(Circular Questioning)です。
それに加え、他の参加者からも様々なコメントが投げ入れられ、Aさん、Bさん、Cさん、それぞれに新たな視点を得られたのではないでしょうか。
Xくんの支援に対する新たな視点。
それは、とりもなおさず、Aさん、Bさん、Cさん、それぞれの立ち位置からX君とどのような関わり・関係性を築くかということです。
(注1)
C先生にファシリテートをお願いしたのは、すでに学校現場で、そして私のグループSVで、C先生が暗黙のファシリテーターの役割を担っているからです。それを明確化しただけです。