2019年03月15日
今回は、ブログをよく読みに来てくださる方からの質問にお答えします。
Q)19歳の息子に話しかけても、無視します。息子には色々言いたいことも聞きたいこともあるのですが、返事がないとやる気をなくし、引いてしまいます。話しかけても反応がないときの、親のモチベーションの保ち方を教えてください。
A) 親が話しかけても無視するのは思春期の子どもの特徴です。彼らは親との関係を遠ざけることにより、親の影響から逃れ、自立しようとします。決して親のことを嫌っている訳ではありません。
それは、親としても理解できるでしょう。
それなら、自分でちゃんと動いてくれれば良いのですが、朝なかなか起きてこない、ゲームばかりして、やるべきことをやらない、勉強せずに遊んでばかりいる、、。すると親としては放っておけず、ついつい口出しをしてしまいます。
子どもから反応がないので、聞いているのか、理解しているのかと心配になり何度も繰り返すと、子どもはしつこく感じて嫌がります。「それならちゃんと返事をしなさい!」とついキレてしまいます。
すると子どもはもっと親との距離を開けようとして無視するか、あるいは時に逆ギレして反抗してきたりします。
これが普通の思春期の親子関係です。
しかし、これでは親としてやる気をなくし、引いてしまうのも無理はありません。
コミュニケーションはキャッチボールです。
自分が投げたボールを相手がキャッチして、また自分に投げ返します。その繰り返しがキャッチボールです。相手がキャッチせず後ろにスルーしてしまったり、暴投して変な方向に投げ返したり、キレて思いっきり強い球を返してきたら、キャッチボールは成立しません。やる気をなくしてしまいます。
思春期の子どもとのキャッチボールは厄介なものです。
そのやり方を考えてみましょう。
●子どもがスルーしても構いません●
親の投げたボールを子どもが無視しても構いません。子どもにはちゃんと伝わっています。子どもは普通に反応しないだけで、親からのメッセージはちゃんと入っています。
●子ども扱いしない●
心配したり、子どもだけの力ではダメだろうと思い、子ども自身が動き出す前に、先回りしてつい手を貸してしまったり、口やかましく注意していませんか。
対等の大人扱いすること。成長しつつある子どもの底力を信じてあげましょう。親が注意しなくても、子どもは自分の力で何とかするでしょう。
●親のマイナスを伝えない●
冷えたマイナスのボールを与えないでください。それは親の心配・不安を込めたボールです。この子は大丈夫だろうか?何かの病気じゃないだろうか?ちゃんと自立できるのだろうか?難しいかもしれない、、、といった気持ちです。
暖かいプラスのボールを与えてください。この子は今はイマイチだけど、きっと大丈夫だ。しばらくすればちゃんと出来るようになる。自分の子どもなのだから、大丈夫なはずだ、、、と思えるためには、親自身が自分に自信を持っていなくてはなりません。
●子どもとの距離を開けること●
子どもが小さい時は近い距離から優しいボールを投げます。
子どもが成長するにつれ、距離を開けます。
子どもはいろいろな人たちとキャッチボールを始めます。親が近くにいたら、子どもはウザいと感じるでしょう。もう少し遠くからキャッチボールをしてください。しかし、親としても遠い距離からちゃんとボールを投げたり、子どものボールを受け取れるか心配です。そうすると、どうしても距離を詰めたくなります。
そして、何より大切なことが、
●●キャッチボールを辞めないこと●●
子どもとのキャッチボールがうまくいかないと、この子は私とキャッチボールするのが嫌なのだろう。私は辞めて他の人に任せた方がいい。。。と考えて、私のところにキャッチボールの相手を依頼してきたりします。
思春期の子どもにとって、親とのキャッチボールはとても大切です。いきなり見知らぬ他人とキャッチボールはできません。まず親と練習して肩を慣らして、ある程度自信をつけてから他流試合に望みます。
うまくいかなくても、親は決して諦めてはいけません。子どもがうまく投げ返さなくても、親はうまいボールを投げ続けてあげてください。
そして、親自身がキャッチボールの練習をしましょう。
●子ども以外に、キャッチボールを楽しめる相手を確保する●
パートナーとのキャッチボールです。二人でよく子どものことを相談してください。
あるいは、友だちや専門家などでも構いません。うまく自分の球を受け止めてくれて、きちんと返してくれる人、信頼できる人です。
親自身が普段キャッチボールに慣れていないと、いきなり思春期のお相手は難しいです。
信頼できるその人と、「息子とのキャッチボールがうまくいかないのよ」という本音のボールを投げてください。相手にしっかり受け止めてもらいましょう。
そうすれば、子どもとの会話に自信を回復できます。