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ひきこもり連載(11)スクールソーシャルワーカー

2021年03月08日

  公明新聞>

スクールソーシャルワーカー
学校現場に配置、大きな力に

 スクールソーシャルワーカーという職種はあまり知られていませんが、ひきこもりの支援に大きな力を発揮しています。いじめ、不登校、児童虐待、ひきこもり、貧困など、子どもを取り巻く問題に対応するために、15年ほど前から学校現場に配置されるようになりました。本人と家族の状況を把握し、必要に応じて社会の資源につなげるのがその仕事です。

 中学生のAさんは不登校で、リストカットを繰り返していました。スクールソーシャルワーカーから勧められ、Aさんと母親が私の病院にやって来ました。話を聞くと家族の問題が見え隠れします。保健室の先生に「死にたい」と漏らすなど、命の危険が迫っていました。

 スクールソーシャルワーカーが中学校の先生、スクールカウンセラー、児童相談所、医師を集め、ご両親も加わって緊急の会議を開き、Aさんの見守り体勢を整えました。この会議をきっかけに、それまで全く姿が見えなかった父親も診察に来るようになりました。母親からは仕事に逃げ、家庭を顧みない父親と聞いていましたが、二人の話をよく伺うと、母親は父親のやり方が気に入らず、子どもに関わってほしくないというのが実情でした。家だとけんかになるのでこの話はできません。

 Aさんは病院に通ううちに自分の気持ちを話せるようになり、つらい気持ちを打ち消すために手首を切っていたと打ち明けてくれました。それも治まり、学校にも保健室登校を経て教室に顔を出せるようになりました。

 ひきこもりは本人の力だけでは、あるいは家族、学校、医療など個別の力だけでは解決困難です。異なった立場の人々が連携することで解決の可能性が高まります。スクールソーシャルワーカーは子どもと家族を教育・福祉・心理・医療などの社会資源につなぎます。

 新しい職種であるスクールソーシャルワーカーの役割はまだ十分に知られていません。今後の活躍に期待しています。


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